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西山スマイル介護職員や看護師の出会った、ちょっと感動するお話をお届けします。

2019.07.01私が大切にしていること
作業療法士/N
 私が当院に配属されて一年が経過し、多くの出会いがありました。中でも私が当院で働く意味を明確にしてくれた、とあるご利用者との出会いがあります。
 これは70代の男性、A様のお話です。
 A様は今から二年前にご病気を発症、他院へ入院されました。退院を目指されていましたが、病状の進行に伴い、退院は困難とされて当院へ転院となりました。
 しかし、前院と当院のケアの違いにA様はご不満を抱えておられました。療養型の当院では暮らすことが主体で回復期病院の前院ほど多くのリハビリ提供が難しい上、A様の病状が不安定だったこともあって、日々の生活は困難を要しました。当初は不満や悩み、希死念慮を訴えられることが多くありました。そこでご家族も含め、A様ができることやいちばんご興味のあることなど何度も話し合いました。
 お話しする中で、A様には小さなお孫さんがいらっしゃり、その成長を見たいというご希望が挙がりました。
 A様はタブレットを使用されていたため、ご家族に操作時のリスク管理をお約束し、お孫さんの写真や映像を送信していただくようにお願いしました。タブレット操作を取り入れたリハビリを開始し、今では毎回楽しみにしてくださるようになり、笑顔が増えて前向きな発言が多く聞かれるようになりました。
 私はA様との出会いを通して、日々の訓練だけでなく、ご利用者の思いにどう寄り添うかが重要であると痛感しました。
 ご利用者に生活の中で楽しむことを見つけていただき、そしてそれをサポートするのが私の役割であり、リハビリの意味でもあると考えています。
 今後もご利用者とご家族にとって有意義な時間を過ごしていただけるよう、日々の出会いを大切に努めていこうと思います。

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