文字サイズ
  • 標準
背景色

西山スマイル介護職員や看護師の出会った、ちょっと感動するお話をお届けします。

2020.09.01寄り添う夫婦
看護師/H
 西山の杜では、これまで三組のご夫婦が同時期に入居されていたことがあります。
 その中でも、開設当初に入居されたひと組のご夫婦が「特養の生活が、自宅生活の延長にあるように…。」と私たちを導いてくださいました。
 そのご夫婦は、ともに認知症がありましたが、這って移動していたご主人を奥様が自宅でお世話をされていました。訪問介護サービスの介入をしましたが、妄想のある奥様が拒まれ、「西山の杜」の開設と同時に措置的入居となりました。
 入居当日、介護量の多いご主人のケアを行いやすいよう夫婦別々のフロアにしましたが、奥様のご不安は想像以上のもので、一度、二人を引き合わせたところご主人から離れることができないご様子でした。そこで、職員全員で考え、ひと部屋に2つのベッドを並べてもうひとつの部屋は二人の衣装部屋にすることにしました。さらにご主人のケアをするときは奥様にお手伝いいただくことで、穏やかに過ごすことができるようになりました。
 入居されて数年が経ち、ご主人が肺炎で亡くなられたときも、奥様が手を握って送ることができました。
 車いすのご主人の横に寄り添って座り、日向ぼっこをしていたお二人の姿が今も浮かびます。ご自宅で生活されていたころ、ご夫婦が一時不仲だったこともあったようでご家族も心配されていましたが、当施設にご入居されてから夫婦仲が良くなり、安心したとおっしゃっていました。
 西山の杜の理念である「共に寄り添い、共に支え合い、共に暮らす」を念頭に、ご利用者とご家族にとって安心できる「終の棲家」を職員全員でこれからも考えていきたいと思います。

TOP