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西山スマイル介護職員や看護師の出会った、ちょっと感動するお話をお届けします。

2019.09.02気持ちに変化をくれた言葉
介護職員/B
 私はもともと人に話しかけることが苦手で、悩みの一つでもあります。そんな私の気持ちに変化をくださったのは、以前ご利用者だったA様です。
 入居当初のA様は、口調がきつく、職員やほかのご利用者に喧嘩腰で話されることもありました。しかし、グループホームの生活にだんだん慣れていらっしゃると、本当はさみしがり屋でお話し好きな面が見えてきました。ご利用者にどんどん話しかけられてお話を聞いてくださるようになり、私はそんなA様を尊敬しておりました。A様は認知症であっても、きつい口調の方のお話も優しく聞いてくださっていました。当時の主治医が、「まるでもう一人職員がいるみたいですね。」とおっしゃるほどでした。 
 そんなある日、A様とお話しする機会があり、なぜそんなに積極的にお話しされることができるのか質問してみました。すると「なんでそう思うの?」と、A様に逆に聞かれてしまい、正直に「私は人と話すことが苦手で、あまり話しかけられないんです。」と答えました。
 「そうなの? もったいないよ。人は、何十年と生きてきてるでしょ。生きてきた分いろいろなことがその人の中にあるんだから、どんな勉強よりずっと勉強になるよ。だから私は話をするのよ。」
 A様の言葉に私はハッとさせられました。ただただ苦手意識にばかり気がいっていた私にとって、とても胸に刺さる言葉でした。
 人の話を「聴く」ことの大切さを学ばせていただくことができました。
 その後、A様は体調を崩されて、ほかの施設へ移られました。もっといろいろお話ししたかったです。私の考え方を変えてくださったA様に感謝しています。A様の言葉を思い出しながら、仕事にも生かしていきたいと思います。

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