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西山スマイル介護職員や看護師の出会った、ちょっと感動するお話をお届けします。

2019.03.30愛犬を含めたご家族の支え
看護師/S
E様は、愛犬とともに長年お一人で暮らしてきた方であった。体調を崩されたため当院に入院してこられたが、はじめは愛犬のことが心配で仕方がない様子であった。そのためか、入院当初は過度のストレスや環境の変化により、せん妄状態となり、夜間の不眠が続いていた。
せん妄の治療には、見慣れた安らかな環境で療養することが効果的であるといわれている。E様が入院されたため、愛犬は姪御さまに預けられていたが、その姪御さまにE様の現状をお伝えしたところ、愛犬もまた、E様を探すような仕草が見られるとのことで、どうにかして会わせてあげたいという希望を話された。
そこで医師の許可を得て、後日、面会の場を設けることができた。その日は天気もよく、病院の玄関先でE様は無事に愛犬と会うことができた。E様は車いすに乗られていたが、愛犬はE様に飛び乗り、顔をペロペロ、しっぽを大きく振って喜んでいた。E様の体力等を考慮し長い時間の面会ではなかったが、姪御さまより面会を果たせたことへの感謝の言葉をいただいた。
私が嬉しかったことは、E様が愛犬と再会したときに、大きく表情の変化が見られたことだった。閉じていた瞳は大きく見開かれ、目じりにしわを寄せ、優しい表情で愛犬に声をかけ、自由がきかなくなりつつあったその手で愛犬を抱こうとされたのだ。その後、病室に帰ってからもE様の表情はよく、夜間の不眠は落ち着いた印象を受けた。
E様はその後、認知症の進行もあり、徐々に愛犬の名前を出すこともなくなっていったが、この面会を経て、愛犬を含めたご家族の支えが患者様の状態に与える影響の大きさを改めて感じた。今後も患者様、ご家族様の思いに寄り添った看護を提供していこうと思う。

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