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西山スマイル介護職員や看護師の出会った、ちょっと感動するお話をお届けします。

2019.05.01患者様が悔いなく最期まで過ごされるために
看護師/K
先日、患者様のご家族より嬉しい言葉をいただきました。
「西山病院で亡くなった○○の親族なのですが、最後まで好きなものを口から食べさせていただき、本当にありがとうございました。本人も喜んでいたし、見届けた家族も悔いなく見送ることができました。ありがとうございました。」
 この患者様は、99歳の女性。自宅で食事がとれなくなったため入院された方です。入院当初は食堂で食事をされていましたが、歳を重ねるとともにベッドから離れることが難しくなり、食事は病室でとるようになりましたが、その後、月日とともに食欲がなくなり、嚥下もできづらくなり、最後には医師・言語聴覚士より口から食べるのは危険、と判断される状況にまでなってきました。
 そのため点滴が始まりましたが、ご本人やご家族様より「みかんが食べたい」「あれが食べたい」「これが食べたい」とおっしゃる場面が多くあったため、ご本人、ご家族様と、医師、看護師、栄養士、言語聴覚士で話し合いをすることになりました。その結果、ご本人の「悔いなく過ごしたい」という強い意向を汲み、危険があることも認識したうえで、十分な注意のもと、ご家族が持参されたものをおやつの時間に召し上がる、ということになりました。
そして、好きな時に好きなものを召し上がり、ご家族に見守られながら亡くなりました。
単に栄養をとるためだけのサポートではなく、食べる喜び、好きなものを選べる幸せを感じられる看護を提供できたことが、本当によかったと思いました。これからも、ご本人、ご家族とのコミュニケーションをとりながら、チームで患者様を支えていきたいと思います。

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