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西山スマイル介護職員や看護師の出会った、ちょっと感動するお話をお届けします。

2020.04.02一本の電話が「日常」を取り戻す
看護師/M
 現在、新型コロナウイルスの流行にあたり、当施設でも面会制限をせざるを得ない状況にあります。毎日面会にみえていたご家族にも面会制限が告げられ、その後一切面会ができず、A様も寂しがっていました。A様も「息子が来られないのは仕方がない」と話されていました。
 ある日の夕方、私は時計を見ながらふと、「A様の息子さんが仕事を終えられて、いつも面会におみえになる時間だな。」と思いました。面会が無理でも電話でのお話は可能ではないかと思い立ち、A様にナースステーションまでいらしてただいて息子さんに電話をかけてみました。
 A様は、息子さんに「うん、うん、元気だよ。面会には来られないのよね? うん、大丈夫だよ。ごはんしっかり食べるね」と笑顔で話されていました。
 その後、私が電話を変わってお話ししましたが、息子さんは「施設から電話がかかってきたので何事かとビックリしましたが、こんなビックリならいつでも大歓迎です」と喜ばれていました。A様も「息子と話せて良かった。安心した。元気にごはん食べなきゃいかんね」と元気に過ごされる目標となったご様子でした。
 ご家族の愛情深さに感動しつつ、いつもはあたりまえに送っていた日常が突然なんらかの理由によってできなくなってしまう。そんな時でも自分は何ができるだろうと考え、行動することの大切さを考えさせていただいたエピソードでした。

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