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西山スマイル介護職員や看護師の出会った、ちょっと感動するお話をお届けします。

2020.01.15私たちの役割
理学療法士/N
 私たちリハビリ職員は、入院、入所、通所、在宅と様々な場でご利用者やご家族と関わらせていただいています。
 リハビリ職員として、日々の機能訓練はもちろんですが、「きっかけ」づくりも重要であると私は考えています。
 私の担当にA様というご利用者がいます。A様は突然ご病気を発症されて、約五年間寝たきりで日常生活動作の大半が全介助の状態でした。
 「自分でご飯が食べれるようになりたい。」
 これが介入当初、A様の唯一のご希望でしたが、入院生活の長期化で意欲低下が著明、希死念慮が聞かれるようになりました。A様の望みを叶えるべく私は多職種と情報共有しながらリハビリを行い、A様も望みを捨てずに頑張られて、ようやくご自身で食事ができた際には涙を流しておられました。
 ご希望がひとつ叶えられたことが「きっかけ」となり、「車いすに乗って散歩をしたい。」という新たなご希望が生まれ、次第にそれも叶うようになりました。
 最近ではさらに多くのご希望が聞かれるようになり、「東京オリンピックまで元気に生活したい。」などと話されています。
 A様は現在も食事以外の生活動作は全介助の状態ですが、今ではもう希死念慮を口にすることがなくなりました。
 私は、難しいと思われていた最初の希望がかなえられたという「きっかけ」がA様の意欲となり、お気持ちや生活を前向きに変えることができたと考えています。
 A様だけでなく、リハビリで機能改善して生活が変わるご利用者は多くいらっしゃいます。ご利用者にとって日々のリハビリが楽しみとなり、前向きになる「きっかけ」づくりに今後も取り組んでいきたいと思います。

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