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西山スマイル介護職員や看護師の出会った、ちょっと感動するお話をお届けします。

2019.11.01今年の夏の忘れられない、ご利用者との関わり
看護師/Y
 今年の夏の夜勤中の出来事です。
 部屋に見まわりに行くと「ちょっと、ちょっと。」と、T様が手招きされていました。
 その日は佐鳴湖の花火大会で、ドン!ドン! と花火の音が聞こえていました。
 T様は今年の四月に入所され、当初はご自分からお話しされることはほとんどなく、目を閉じていることが多い方でした。徐々に全身状態の悪化がみられましたが、このころは状態がやや持ちなおし、発語も増えていました。
 私は、手招きして呼んでくださったT様は花火をご覧になりたいんだ、私もご一緒したいと思い、窓のカーテンを開けて花火が見えやすい場所にベッドを移動しました。
 「あ、見えた、見えた。」と、喜んで花火をご覧になっているT様の姿に、私もとてもうれしい気持ちになりました。
 ご利用者が喜ばれたり、いつもとは違う反応を見せてくださったりすると、自分もとてもうれしくなり、もっと何かして差し上げられないだろうかと思うようになります。
 あれから時が経ち、現在のT様はお話しされたり何かに反応されたりすることができなくなってしまいました。
 残された時間をT様とご家族に穏やかに過ごしていただけるよう花火鑑賞をご一緒した日のことを胸に、これからも援助させていただきたいと思います。

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